言葉と食文化について

ryosengoku

2011年06月13日 10:10



 このブログを長く読んでくださっている方は、なんども「肉汁」が「にくじゅう」であって、「にくじる」ではないことは、重々理解していると思う。KFCにお願いして、CMで使用されていた「このにくじるが・・・」を「にくじゅう」に訂正していただいたことも、民放連にも放送で正しく使ってほしいとお願いし、放置されたことも、政府広報CMの「たにんごとではない」のナレーションを「ひとごとではない」に直してほしいとお願いして、「一般的に通用する」という理由で、取り合ってもらえなかったきことも、覚えている方がいるかもしれない。
 文科省管轄の学校のテストで「他人事」を「たにんごと」と読んだら、○をもらえるはずがないのだが、政府の広報は、国民に「直していただけないでしょうか?」とお願いされようが、あえて間違った言葉を使うことをよしとするのだから、この国がいまこんな状態になっているのも無理からぬことである。

 さて、前置きがながくなったけれど、我が北海道の食に関する言葉でも、ずっと「あ〜あ」と思っていることがある。
 たとえば「ジンギスカンの唐揚げ」や「ジンギスカン丼」などなど、ジンギスカンに関するめちゃくちゃな商品名がそのひとつ。
 拙著にも書いてきたが、ジンギスカンやジンギスカン鍋というのは、「料理法」であり、「食べ方」である。しゃぶしゃぶや奉書焼きと同じように。
「ジンギスカン鍋で羊肉を焼く」のが、ジンギスカン。ラムを使えばなんでもジンギスカンではないのだ。それがあろうことか、「唐揚げ」という違う料理法をほどこされたラム料理に「ジンギスカンの唐揚げ」などと称して売っている。東京にいたころは、「所詮、北海道の食を知らんアホがやっているんだから」と、笑っていたけれど、北海道内でやられると、笑ってはいられない。自らが誇るべき食文化を汚していることに、「あ〜あ。どもならんもな」と、落胆する。
 
 そんなに気にすることないべや! って思う人もいるかもしれないけど、「言葉の間違い方」としては、「すき焼きのしゃぶしゃぶ」とか「刺し身の照り焼き」と、まったく同じなのですよ〜! 

 東京でなにか注文すると「よろこんで!」と返事をする店で「ルイベの刺し身」なるメニューがあった話はこちらです。(笑)



 ←クリック、お願いします!
 ジンギスカンの唐揚げを作るなら、一度、あの鍋で焼いてから揚げるか。ラムが載った鍋ごと揚げてください。(笑)
関連記事